三次元測定機の検査結果に影響する不確かさには、非常に多くの要因が考えられます。それらを実際の検査で考慮するには、不確かさ要因を1つ1つ定量化し、それらが測定結果に伝搬する過程を明らかにする必要があります。しかしながら、たった1点の測定点でも、その配置が違うだけで伝搬の過程が異なり、不確かさが変わってしまいます。さらに不確かさ項目それぞれが相互に複雑に影響するなど、不確かさを推定することは簡単ではありません。
「不確かさ」の国内規格はJIS B 0641-1「製品の幾何特性仕様(GPS)-製品及び測定装置の測定による検査」で制定されていますが、そこでは合否判定基準の考え方について述べられているだけで、具体的な不確かさ項目の記載はありません。ミツトヨではISO/TS 23165に準拠した不確かさ項目を考慮した適合/不適合判定をおこないます。(表1)
JCSSとは、Japan Calibration Service System の略称であり、計量法に基づく計量法トレーサビリティ制度を表しています。 NITE IA Japan(独立行政法人製品評価技術基盤機構 認定センター) による審査を経て登録が認められた事業者は、JCSS認定ロゴマーク付きの校正証明書を発行できます。
JIS B 0641-1では、不確かさを含んだ測定結果を以下の4つに分類します。
(図1-A)不確かさを含む測定値がすべて仕様を満たしている。
(図1-B)測定値は仕様を満たしているが、不確かさの一部が仕様を満たしていない。
(図1-C)不確かさの一部だけが仕様を満たしている。
(図1-D)不確かさを含む測定値すべてが仕様を満たしていない。
ここで注意点ですが、JIS B 0641-1は、図1-Aは適合、図1-Dは不適合と明言している一方、図1-B・図1-Cについては、不確かさを考慮することによる判定ミスが生じる(不適合品を適合にする、もしくは適合品を不適合にする可能性がある)と説明するだけで、適合・不適合の判断は生産者と消費者の立場や、不確かさ算出のコストなどを総合的に考えて判定することが重要と、適合か不適合かの明言を避けています。 ミツトヨでは、この曖昧な部分(図1-B・図1-C)は不合格として扱うこととし、仕様の領域から不確かさを考慮した分だけ内側に実際の上限値と下限値を設定しています。